建設業の決算変更届は、「毎年出すだけ」「数字を転記するだけ」と思われがちな手続きです。
実際、様式は公開されており、自分で提出することも可能です。
しかし実務として取り組んでみると、想像以上に時間と神経を使う手続きだと感じる方も少なくありません。
この記事では、決算変更届は自分でやると大変な理由を、実務目線で解説します。
決算変更届は「数字」より「整理」が大変な手続き
決算変更届の書類は、
一見すると数字を埋めていくだけのように見えます。
しかし実際には、
- どの数字を使うのか
- どう分類するのか
- 合計がどこと合う必要があるのか
といった判断と整理の連続です。
特に、
- 財務諸表
- 工事経歴書
この2つで手が止まる方が多い印象です。
決算変更届の財務諸表は税理士の決算書とは別物
決算変更届に添付する財務諸表について、「税理士の決算書をそのまま使えばいい」と思われているケースは少なくありません。
ですが、実際には書き方や考え方が異なる部分があります。
売掛金・買掛金はそのまま使えない
たとえば、税理士が作成する決算書では、
- 売掛金
- 買掛金
という科目が一般的です。
一方、決算変更届では、
- 完成工事未収入金
- 工事未払金
といった形で整理する必要があります。
名前が違うだけでなく、「工事に関するものかどうか」を意識して区分する必要があるため、そのまま転記できないケースが多くあります。
税理士の決算書が間違っているわけではありません
ここで誤解されやすいのですが、
税理士の先生が作成した決算書が間違っている、という話ではありません。
税理士は税務の専門家であり、
決算変更届は建設業法に基づく別の書類です。
目的が違えば、求められる形も違う
というだけのことです。
決算変更届で一番大変なのは工事経歴書
私が実務で一番大変だと感じるのは、工事経歴書の作成です。
工事経歴書が大変な3つの理由
1 .件数と並べ方のルール
工事経歴書は、工事の種類ごとに、金額の大きい順で
- 原則10件
- もしくは、その工事の合計金額の7割に達するまで
記載する必要があります。
単に思いついた工事を並べればいい、というものではありません。
2 .工事種別ごとの整理
請け負っている工事が
- 塗装
- 防水
- 改修
- その他工事
など多岐にわたる場合、それぞれの工事種別ごとに「どの工事を、どこまで書くのか」を整理する必要があります。
工事の件数が多い会社ほど、ここでかなり時間を取られます。
3 .情報収集の手間
工事経歴書には、
- 工事名
- 現場名
- 請負金額
- 着手日
- 完工日
といった情報を、正確に記載しなければなりません。
実際に、会社の工事実績表には、着手日の記載はありましたが完工日の記載がなく、請求書や過去の資料を遡って、一件ずつ確認する作業が必要になったことがあります。
「書類を作る」というより、過去の工事を正確に洗い出す作業に近い感覚です。
数字を決算書と一致させる作業も必要
さらに、
- 工事経歴書の合計金額
- 決算変更届の完成工事高
- 決算書の数字
これらがきちんと一致している必要があります。
どこかで数字がずれると、原因を一つずつ探すことになり、ここで手が止まってしまうことになります。
決算変更届を自分で行うと大変な理由
決算変更届が大変に感じる一番の理由は、
- 何が正解かを自分で判断しなければならない
- 窓口では具体的な判断をしてもらえない
- ネットの情報が断片的
という点にあります。
「これで本当に合っているのか」
という不安を抱えたまま、手続きを進めることになります。
専門家に任せるという選択肢
決算変更届は、自分でできない手続きではありません。
ただ、
- 本業が忙しい
- 毎年この時期がストレスになる
- 書類の正確性に不安が残る
という場合には、建設業手続きに慣れた専門家に任せることで、時間と精神的な負担を大きく減らすことができます。
まとめ
- 決算変更届は自分で提出することも可能
- ただし、財務諸表と工事経歴書で想像以上に手が止まりやすい
- 特に工事経歴書は、件数・金額・日付・合計の整理が大変
毎年この作業に負担を感じている場合は、
外に任せるという選択肢があることも、
知っておいて損はありません。
決算変更届でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
現在の状況整理からでも対応しています。
※現在開業準備中

