「去年より忙しいのに、なぜか手元に残らない」
そんな感覚はありませんか。
建設業では、売上と粗利の“構造”を理解していないと、忙しさと利益が比例しない状態が起きやすくなります。
※本記事でいう「粗利」は、月次損益計算書上の売上総利益(売上-売上原価)を指します。
粗利が削られていることに気づきにくい理由
例えば、500万円の工事で粗利率が2%下がると、手元に残るお金は10万円減ります。
それが月に5件あれば、年間で600万円の差になります。
削られているのは、売上ではなく「粗利」です。
建設業では売上が大きく動きます。
しかし原価も同時に大きく動くため、「売上が増えている=順調」と錯覚しやすくなります。
さらに、
・工事ごとに条件が違う
・外注比率が現場ごとに異なる
・材料価格が変動する
こうした要素が重なり、“全体として利益がどう動いているか”が見えにくくなります。
建設業の構造
一次下請けの立場では、
・元請けから金額が提示される
・その中で利益を設計する
・下請けにも無理はさせられない
・社員の給与も守らなければならない
単価が少し下がるだけで、会社が負担する部分は確実に増えていきます。
材料費の多少のブレよりも、単価の引き下げの影響の方が大きい場合も少なくありません。
この構造の中で、粗利を守ることは簡単ではありません。
なぜ粗利が守れなくなるのか
粗利が2%下がるということは、社長の意思決定が2%ずつズレている可能性があります。
・受注を優先して単価を下げる
・原価上昇を価格転嫁できない
・外注比率の上昇に気づいていない
どれも現場では仕方のない判断です。
しかし、その積み重ねが「忙しいのに残らない」状態をつくります。
月次で見るべき3つの数字
完璧な工事別原価がなくても、次の3つは確認できます。
① 粗利率
→ 前年同月と比較しているか
② 外注比率
→ 想定より上がっていないか
→ 応援依頼が常態化していないか
③ 売上と原価の推移
→ 売上増=原価増になっていないか
→ 利益が残る構造になっているか
月次の損益から、十分に確認できます。
重要なのは、数字単体ではなく“関係性”を見ることです。
まとめ
私は、売上よりも“粗利率の推移”を見るようにしています。
粗利が守れていれば、会社は安定します。
売上が伸びても、粗利が下がれば不安定になります。
売上を追う経営から、
粗利を守る経営へ。
感覚ではなく、前年との比較を。
月に一度、粗利率を前年と比較する。
それだけでも、経営の質は確実に変わります。
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