建設業許可の申請や変更届では、営業所の実態を確認するための写真提出を求められます。
しかし実務では、
- 何を撮ればよいのか分からない
- 看板が写っていないと指摘された
- 倉庫扱いになった
- 自宅が営業所として認められなかった
といったトラブルが非常に多く発生します。
営業所の写真は単なる参考資料ではなく、営業所として成立していることを示す証拠です。
まず理解すべきこと
写真は「きれいに撮る」ことが目的ではありません。
実態を客観的に示すこと
要件を満たしていることが分かること
が重要です。
必ず撮るべき写真(基本セット)
自治体により多少異なりますが、一般的に必要となるのは次の4種類です。
■ ① 建物の外観(遠景)
営業所が入っている建物全体が分かる写真。
ポイント
- 建物が特定できる
- 周囲の状況が分かる
- 表札や入口の位置関係が分かる
NG例
- 建物の一部だけ
- 看板だけのアップ
- どこの建物か分からない
■ ② 入口(営業所の出入口)
営業所として使用している入口を撮影します。
確認される点
- 独立した出入口か
- 施錠可能か
- 他用途と区別できるか
NG例
- 共用入口のみ
- 通路の写真だけ
- 扉が写っていない
■ ③ 会社名の表示(最重要)
会社が存在することを示す証拠です。
具体例
- 看板
- 表札
- ドア表示
- テナント一覧
- 郵便受けの表示
重要ポイント
★会社の正式名称が読めること
NG例
- 何も表示がない
- 個人名のみ
- 小さすぎて読めない
- 別会社の名前
- 手書きの仮表示
■ ④ 事務所内部
実際に業務を行っていることを示します。
必要なもの
- 机
- 椅子
- 電話
- パソコン
- 書類
確認される点
- 事務所として機能しているか
- 倉庫ではないか
- 作業場ではないか
内部写真で特に重要なこと
■ 「生活空間ではない」こと
自宅営業所の場合、ここが最大のポイントです。
OK例
- 事務机がある部屋
- 業務専用スペース
- 書類棚がある
NG例
- リビングそのまま
- 布団・洗濯物が写る
- 生活用品が中心
倉庫・作業場と判断される例
- 工具や資材のみ
- 机がない
- 事務設備がない
- 工場のような状態
契約業務を行う場所であることが必要です。
自宅営業所の場合の追加注意
自宅でも営業所にできますが、業務スペースとしての独立性が必要です。
推奨される状態
- 生活空間と区分
- 業務設備がある
- 会社名表示がある
- 常勤勤務が可能
写真撮影の具体的なコツ
以下のコツを意識して撮影しましょう。
- 明るい時間帯に撮る
- ブレないように撮る
- 全体が入る構図
- 加工・トリミングしすぎない
- 現在の状態を撮る
スマホ撮影でもOK
現在はスマートフォン撮影が一般的です。
ただし、
- ピントが合っている
- 読み取れる
- 暗くない
ことが重要です。
写真は「営業所要件の一部」に過ぎない
営業所として成立するかは、写真だけでは判断されません。
- 人員配置
- 業務実態
- 契約業務の有無
- 常勤性
など総合的に確認されます。
よくある差し戻し理由
よくある差し戻しの理由としては、下記のようなものがあります。
- 看板が確認できない
- 会社名が読めない
- 内部が倉庫のように見える
- 生活空間と区別できない
- 入口が不明
- 別住所の可能性がある
申請直前で困るケース
営業所は普段意識されないため、更新手続きの時に初めて問題が発覚します。
特に多いのは下記のケースです。
- 移転後に何も整備していない
- 看板を付けていない
- 事務所として使っていない
まとめ
営業所の写真は形式的な提出資料ではなく、営業所としての実態を示す重要な証拠です。
最低限、
- 建物の外観
- 出入口
- 会社名表示
- 事務所内部
が明確に確認できる状態で撮影する必要があります。
写真の不備は手続きの遅れだけでなく、営業所要件そのものの問題につながる場合もあります。
営業所の要件や定義については、こちらの記事で解説しています。
営業所の要件に不安がある場合
営業所の写真は、単に撮り方の問題だけではありません。
営業所として成立しているかどうかは、
- 人員配置
- 業務実態
- 許可との整合性
- 将来の更新や経審への影響
など、複数の条件で判断されます。
写真はその一部を示す資料に過ぎません。
現在の営業所が制度上問題ないか、第三者の視点で整理しておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。
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