入札って営業所のある市だけ?近隣の市にも出すべき?

経審を受けて、いよいよ公共工事の入札に参加しようと思ったとき、最初に悩むのがこれです。

「うちは○○市に営業所があるんだけど、○○市だけ出せばいいの?隣の市にも出した方がいいの?」

結論から言うと、近隣の市にも出した方がいいです。ただし、やみくもに出せばいいわけではないので、考え方を整理してみましょう。


目次

まず知っておくこと:入札は自治体ごとに登録が必要

入札に参加するためには、工事を発注する自治体ごとに「入札参加資格」の登録をする必要があります。

福岡市の工事に入りたければ福岡市に、春日市の工事に入りたければ春日市に、それぞれ申請して名簿に載る必要があるということです。

「建設業許可を持っていれば自動的にどこでも入札できる」というわけではありません。

市町村のほかに、福岡県や国(各地方整備局)の入札にも参加できますが、それぞれ別の登録が必要です。


営業所のある市が有利なのは本当

多くの自治体では、入札の参加要件に「地域要件」を設けています。

簡単に言うと、「市内に本店がある業者」「市内に営業所がある業者」が優先される仕組みです。指名競争入札では特にこの傾向が強く、市内業者が優先的に指名されます。

なので、営業所のある市は最も仕事が取りやすい場所です。ここは必ず登録してください。


じゃあ近隣の市に出す意味はあるの?

あります。理由は3つ。

1. 営業所のある市だけでは案件数が限られる

特に小さな市町村の場合、年間の発注件数自体が少ないです。営業所のある市だけに絞ると、入札のチャンスが非常に少なくなります。

2. 「市外業者」でも参加できる案件はある

地域要件で市内業者が優先されるとはいえ、全ての案件が市内業者限定ではありません。一般競争入札では市外業者にも門戸が開かれていることが多いです。特に、専門性の高い工事や金額の大きい工事では、市外業者も十分にチャンスがあります。

3. 実績を積むことで次につながる

入札で落札した実績は、他の自治体での格付けや指名にもプラスに働きます。近隣の市で実績を積むことが、将来の受注拡大につながります。


どこまで広げるべき?

では、どこまで手を広げるかという話です。

目安としては、営業所から日常的に通える範囲で考えてください。

現場管理のことを考えると、営業所から車で30分〜1時間程度の範囲が現実的です。遠すぎると、現場に技術者を配置する負担が大きくなります。

例えば、福岡市に営業所がある場合、春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、糸島市、那珂川市あたりは十分に通える範囲です。さらに余裕があれば、古賀市、宗像市、福津市まで広げてもいいでしょう。

逆に、実際に受注しても現場に通えないような遠方の自治体に登録しても、あまり意味がありません。


登録のタイミングに注意

入札参加資格の申請には、受付期間が決まっています。

多くの自治体では、2年に1回の定期受付(だいたい1月〜3月頃)を行っています。この時期を逃すと、次の定期受付まで登録できないことがあります。

ただし、随時受付を行っている自治体もあるので、まずは参加したい自治体のホームページで確認してみてください。「入札参加資格」「競争入札参加資格審査申請」などで検索すると情報が出てきます。


最初にやることリスト

入札参加を考え始めたら、まず以下を整理してみてください。

  1. 自社の営業所から通える範囲の自治体をリストアップする
  2. それぞれの自治体の入札参加資格の受付時期を確認する
  3. 必要な書類(経審の結果通知書など)を確認する
  4. まずは営業所のある市+近隣2〜3市から始めて、少しずつ広げていく

最初から10市も20市も登録する必要はありません。まずは近場から始めて、実績を積みながら広げていくのが現実的です。


入札参加資格の申請手続きや、経営事項審査の準備でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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