建設業許可は、書類を作れば取れるものではありません。
条件を満たしていなければ、準備を進めても申請できません。
そのため、まずは「今の状態で取得できる可能性があるか」を確認することが重要になります。
⒈経営管理責任者になれる人はいるか(目安:経営経験5年以上)
小規模な会社では、社長が経営業務の管理責任者(経管)になるケースがほとんどです。
一般的な目安は、
建設業を事業として経営していた期間が5年以上
です。
例えば、
- 個人事業として工事を請け負ってきた
- 建設会社の役員として経営に関わってきた
といった場合は、条件を満たす可能性があります。
一方で、社長という立場であっても、建設業の経営経験がなければ要件を満たさないことがあります。
例えば、
- 他業種から新たに建設業に参入した
- 名義上の代表で実際の経営は別の人が行っていた
- 現場作業が中心で契約や資金管理に関与していなかった
といった場合は注意が必要です。
⒉専任技術者になれる人がいるか
技術面の条件は、資格または実務経験で判断されます。
資格がある場合
業種に対応した資格を持っていれば比較的明確です。
実務経験の場合(目安)
10年以上の実務経験
(学歴により短縮される場合あり)
この場合、どの工事を担当していたかを示す資料が必要になります。
実務経験の証明に使われる主な資料
■ 工事の契約・発注関係
- 工事請負契約書
- 注文書・請書
- 発注書
工事を受注していた事実が分かる資料です。
■ 請求・入金関係
- 請求書の控え
- 入金記録(通帳など)
工事の対価として売上が発生していたことを確認します。
■ 工事内容が分かる資料
- 見積書
- 工事台帳
- 工事一覧表
- 施工計画書
- 完成書類
どのような工事に関わっていたかを示します。
■ 所属や立場が分かる資料
(会社に勤務していた場合)
- 在職証明書
- 雇用契約書
- 社会保険の記録
- 給与台帳
その会社で実務に従事していた期間を確認します。
すべてがそろっている必要はない
一つの書類だけで証明するのではなく、
複数の資料を組み合わせて
実務経験を確認する形になります。
書類がない場合は注意
古い工事ほど資料が残っていないことが多く、証明が難しくなることがあります。
実務経験があっても、書類で裏付けられない場合は要件を満たせないことがあります。
⒊会社としての資金条件(目安:500万円)
一般建設業では、次のいずれかを満たす必要があります。
✔ 自己資本 500万円以上
または
✔ 500万円以上の資金調達能力
新設法人では、会社名義の口座残高で確認されることが多く、
残高証明が500万円以上
という形が分かりやすい目安になります。
個人の資金では認められないため注意が必要です。
⒋営業所として使える場所か
営業所は単なる住所ではなく、事業を行う拠点としての要件があります。
最低限確認したいのは、
- 常時使用できる
- 事務スペースがある
- 独立性がある
自宅の一部でも可能ですが、生活スペースと明確に分かれている必要があります。
⒌社会保険の加入(法人の場合)
法人では、
- 健康保険
- 厚生年金
への加入が前提になります。
未加入の場合、許可より先に加入手続きが必要になります。
要件をクリアしても、書類が揃うかどうかが重要
条件を満たしていても、証明できる資料がなければ申請はできません。
特に確認しておきたいのは、
- 過去5年分の工事資料
- 経歴を示す書類
- 資金を証明する資料
です。
まとめ
建設業許可の準備で重要なのは、「書類を作ること」ではなく「条件を満たしているか」を具体的に確認することです。
目安としては、
- 経営経験:約5年
- 技術経験:約10年(資格なしの場合)
- 資金:約500万円
この3つが大きな基準になります。
どれかが不足している場合は、取得の時期や方法を検討する必要があります。
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