経審の点数はどう決まるのか|中小建設会社が知っておくべき評価の仕組み

この記事でわかること

経営事項審査の点数がどのように決まるのか、なぜ上がりにくいのか、会社として理解しておくべきポイントを社長の視点で整理します。
入札参加を検討している場合や、点数に不安がある場合の判断材料になります。

目次

点数の仕組み

経審の点数について、詳細まで理解している社長は多くありません。
担当者に任せている場合や、毎年申請している場合でも、内訳や評価基準を把握していないことがあります。

その結果、「なぜこの点数なのか」「どこを改善すればよいのか」が分からないまま申請を続けることになります。

経営事項審査の点数(総合評定値・P点)は、会社の規模・経営状態・技術力・社会性などを総合的に評価して算出されます。
一つの数字だけで決まるのではなく、複数の要素の積み重ねです。

主な評価項目は次のとおりです。

・完成工事高
 過去の施工実績の規模。業種ごとの売上に近い指標です。
 実績が多いほど点数は高くなります。

・経営状況
 財務内容を基にした評価です。
 利益の有無、自己資本、借入の状況など、会社の安定性が反映されます。

・技術力
 有資格者の人数や技術者の状況を評価します。
 資格者が多いほど点数は高くなります。

・社会性・信頼性
 社会保険加入、退職金制度、法令遵守などの状況です。
 日常の労務管理や制度対応が評価されます。

これらを総合して算出された数値がP点であり、入札参加資格の基準として用いられます。
申請時の書類だけではなく、会社の日常的な運営状況がそのまま点数に表れる仕組みになっています。

「売上が高ければ点数も高い」とは限らない

売上が大きい会社ほど点数も高いと思われがちですが、実際には単純な金額だけで決まるものではありません。

元請・下請の比率、技術者の状況、社会性に関する評価など、複数の要素が組み合わさって総合的に算出されます。
売上が高くても評価が伸びない場合があるのはこのためです。

また、簡単な手続きを行えばすぐに点数が上がると考えられることもありますが、多くの項目は短期間では改善できません。

点数が安定している会社の特徴

点数が安定している会社は、管理体制が整っており、担当者が明確です。
必要な情報を把握できる状態にあり、継続的に評価を意識した運用が行われています。

また、必要に応じて専門家の助言を受けながら対応していることも多く、単発の手続きとしてではなく継続的な管理として取り組んでいます。

点数が上がらないよくあるケース

加点制度の存在を知らない、あるいは知っていても日常業務が優先され、実際の対応まで手が回っていないケースは少なくありません。

たとえば、次のような例がよく見られます。

・建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録しているが、技能者の就業履歴が入力されていない
 登録だけでは加点対象にならず、運用が伴っていないため点数に反映されません。

・退職金制度に加入していない、または証紙の貼付が不十分
 建退共などに加入していても、証紙の管理や実際の運用が不十分だと評価されないことがあります。

・社会保険は加入しているが、書類の整備が不十分
 保険加入そのものは当然の前提ですが、証明書類の準備ができていないため確認に時間がかかることがあります。

・資格を持つ技術者がいるが、経審の対象として適切に申請されていない
 資格の写しや実務経験の整理が不十分で、評価対象として計上できない場合があります。

・表彰歴や優良工事の実績があるが、申請に反映していない
 社内では把握していても、資料が残っておらず加点として活用できないことがあります。

これらはいずれも、特別な対策というより、日常的な管理や記録の積み重ねが必要な項目です。
準備をしていれば評価につながる余地があるにもかかわらず、忙しさの中で後回しになり、そのまま点数に反映されないままになっているケースが多く見受けられます。

社長が理解しておくべきこと

短期間では変えられない要素が多い

技術者数や元請比率などは、会社の体制そのものに関わるため急に変えることはできません。
評価の改善には時間が必要になります。

一方で、社会保険や退職金制度などは加入することで次回から点数に反映される項目もあります。
ただし、CCUSのように履歴の積み上げが必要なものは、早期に取り組まなければ効果が出ません。

経審の点数は直前の対応だけでは大きく改善しません。
一年を通じた取り組みの結果が反映される仕組みになっています。

手続きの段階になってからでは、対応できる範囲は限られます。

点数が低い場合の影響

点数が不足していると、入札に参加できない、または参加しても受注につながりにくいといった状況が生じます。
同じ工事でも参加できる企業が限られるため、受注機会そのものに差が出る可能性があります。

経審は形式的な手続きではなく、公共工事における企業評価として機能しています。

制度を理解し、計画的に対策を行うことで初めて点数アップにつながります。

まとめ

経審の点数は売上や手続きだけで決まるものではなく、会社の体制や日常の管理状況を総合的に評価した結果です。
短期間で大きく変えることは難しいため、継続的な取り組みが重要になります。

事務体制や書類管理を整理したい場合は、建設業現状診断で確認できます。

点数改善を検討している場合

自社の点数がどのように算出されているのかを整理すると、改善可能な項目が見えてきます。
制度を理解した上で一年かけて取り組むことが必要になります。

専門家に依頼する方法もありますが、手続き代行のみではその時点から点数を上げることはできません。
評価は日常管理の結果として反映されるためです。

当事務所では、申請代行だけでなく、現在の状況を整理し今後の対応方針を検討するためのサポートも行っています。
経審への対応に不安がある場合は、ご相談いただくことも可能です。

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