技術者名簿と専任技術者は別物|混同すると経審で手戻りになる理由

建設業許可や経審の手続きをしていると、「技術者名簿」という言葉が出てきます。

似た名前の書類や制度が多いので、「専任技術者の名簿のこと?」「許可を取ったときに出した書類とは違うの?」と混乱する方も多いのではないでしょうか。

この記事では、技術者名簿(技術職員名簿)とは何か、専任技術者とはどう違うのかを整理します。

目次

そもそも技術者名簿(技術職員名簿)とは

技術者名簿は、会社に所属する技術者の一覧を記載した書類です。正式には「技術職員名簿」と呼ばれます。

使われる場面は主に2つあります。

① 決算変更届(事業年度終了届)での提出 建設業許可を持っている会社は、毎年の決算変更届と一緒に技術者名簿を提出します。「今うちの会社にはこれだけの技術者がいます」ということを届け出る書類です。

② 経営事項審査(経審)での評価 経審を受ける場合、技術者の人数と資格の種類が評点(Z点)に反映されます。つまり、技術者名簿の内容が会社の点数に直結します。

よくある勘違い

「専任技術者がそのまま技術者名簿に載る」 → 自動的には連動しません。専任技術者であっても、常勤性の証明や技術業務への従事が確認できなければ名簿には載せられないことがあります。

「許可のときに出した書類と同じでしょ?」 → 許可申請時にも技術者に関する書類は出しますが、経審で使う技術職員名簿は目的も記載内容も異なります。

「うちは経審を受けないから関係ない」 → 決算変更届でも技術者名簿は提出します。今は経審を受けていなくても、将来的に公共工事を考えるなら、正確な名簿を作る習慣をつけておいて損はありません。

どちらにも「技術者」という言葉が使われていますが、制度としてはまったく別のものです。

専任技術者技術職員名簿の技術者
目的許可を維持するため会社の技術力を評価するため
配置場所営業所に常勤営業所・現場どちらも可
人数業種ごとに最低1名多いほど評価が上がる
制度建設業許可経審(経営事項審査)

専任技術者とは何が違う?

ここが一番混乱しやすいところです。

専任技術者は、建設業許可を維持するために営業所に配置する技術者です。「この会社がこの業種の工事を請け負ってよい」ことを裏付ける役割で、営業所に常勤していることが求められます。

技術職員名簿の技術者は、会社にどれだけ技術力があるかを示すための人数です。専任技術者である必要はなく、現場に出ている社員も対象になります。

まとめるとこういう違いです。

技術者名簿に載せられるのはどんな人?

大まかにいうと、次の3つがすべて揃っている方です。

  • 常勤の社員であること(経審の場合は審査基準日以前に6か月超の雇用実績)
  • 技術業務(施工管理など)に従事していること
  • それを書面で証明できること

資格を持っていれば比較的スムーズですが、実務経験のみで載せる場合は証明のハードルが上がります。

→ 詳しくは「技術職員名簿に載る人・載らない人」で解説しています

まとめ

技術者名簿は、「会社にどれだけの技術者がいるか」を届け出る・評価するための書類です。専任技術者とは目的も制度も異なります。

この違いを整理しないまま経審の準備に入ると、手戻りが起きやすくなります。まずは「許可のための技術者」と「評価のための技術者」、この2つは別物ということだけ押さえておいてください。

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