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外国人技能実習生は技術職員名簿に載せられるのか|経審での扱いと注意点

技能実習生を受け入れている建設会社から、こんな質問をよく受けます。
「うちの実習生、技術職員名簿に載せられますか?」
結論から言うと、技能実習生を技術職員名簿に載せるのは、原則として難しいです。
ただし「絶対に不可」というわけではなく、在留資格や雇用形態によって判断が分かれるケースもあります。
この記事では、外国人技能実習生と技術職員名簿の関係を整理し、特定技能など他の在留資格との違いもあわせて解説します。
→ 技術職員名簿の基本については、こちらの記事で整理しています。 技術職員名簿に載る人・載らない人|経審で”人数が足りない”を防ぐ条件と証明書類
技術職員名簿に載るための条件をおさらい
技術職員名簿に掲載できるのは、次の3つをすべて満たす人です。
- 審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があること
- 雇用期間を特に限定することなく常時雇用されていること
- 技術職として施工管理に関与していること
ポイントは「恒常的な雇用」と「雇用期間を特に限定しない」という部分です。
ここが、外国人技能実習生にとって大きなハードルになります。
なぜ技能実習生は載せにくいのか
在留資格に期限がある
技能実習の在留資格には、明確な期限があります。
| 区分 | 在留期間 |
|---|---|
| 技能実習1号 | 1年以内 |
| 技能実習2号 | 2年以内 |
| 技能実習3号 | 2年以内 |
最長でも通算5年です。
技術職員名簿の要件にある「雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている」という条件に対して、在留資格そのものに期限がある技能実習生は、恒常的な雇用とは認められにくいのが実情です。
施工管理への従事が前提
技術職員名簿に載るには、施工管理業務に従事していることが必要です。
技能実習生は、技能を習得するために現場で作業を行いますが、制度上の位置づけは「技能の習得・実習」です。工程管理や品質管理といった施工管理業務を担当する立場とは異なります。
資格の問題
日本の国家資格(施工管理技士など)を保有していない場合、実務経験での証明が必要になりますが、技能実習期間中の業務を「施工管理の実務経験」として認めてもらうのは、ハードルが高いケースがほとんどです。
在留資格ごとの違い
外国人といっても、在留資格によって技術職員名簿への掲載可否は大きく変わります。
| 在留資格 | 名簿への掲載 | 備考 |
|---|---|---|
| 技能実習 | 原則不可 | 雇用期間の限定、施工管理従事の問題 |
| 特定技能1号 | 条件付きで可能性あり | 最長5年の期限あり、要個別判断 |
| 特定技能2号 | 可能性が高い | 在留期間の更新に上限なし |
| 技術・人文知識・国際業務 | 条件付きで可能性あり | 業務内容による |
| 永住者 | 可能 | 日本人と同じ扱い |
| 日本人の配偶者等 | 可能 | 就労制限なし |
| 定住者 | 可能 | 就労制限なし |
特に注目すべきは、特定技能2号と永住者です。
特定技能2号
特定技能2号は、在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も認められています。雇用期間に期限がないと判断される余地があるため、常勤性の要件を満たしやすくなります。
ただし、特定技能2号の取得には高い技能水準が求められ、該当者はまだ多くありません。
永住者・日本人の配偶者等・定住者
これらの在留資格は就労制限がないため、日本人の社員と同様に技術職員名簿の対象になります。資格や実務経験の要件を満たしていれば、問題なく掲載できます。
専任技術者になれるのか
技術職員名簿とは別に、「外国人が専任技術者になれるか」という質問もよくあります。
在留資格による制限
専任技術者になるには、営業所に常勤する必要があります。就労が認められている在留資格であることが前提です。
| 在留資格 | 専任技術者 |
|---|---|
| 技能実習 | 不可 |
| 特定技能1号 | 原則不可(期限付き雇用のため) |
| 特定技能2号 | 可能性あり |
| 永住者・定住者等 | 可能 |
資格または実務経験
在留資格の問題をクリアしても、専任技術者になるには業種に対応する国家資格、または必要年数の実務経験が求められます。
日本の施工管理技士などの資格を持っている外国人であれば、在留資格の要件さえ満たせば専任技術者になることができます。
今後の制度変更にも注意
育成就労制度への移行
技能実習制度は「育成就労制度」への移行が進められています。新制度では、技能実習よりも「労働者」としての位置づけが強まるとされており、雇用関係や在留期間の扱いが変わる可能性があります。
制度の移行に伴い、技術職員名簿や経審での取り扱いにも影響が出ることが考えられます。最新の情報を確認しながら対応することが重要です。
特定技能の対象分野拡大
特定技能の対象分野も見直しが進んでおり、建設分野では特定技能2号への移行パスが整備されつつあります。将来的に、技術職員名簿に載せられる外国人が増える可能性はあります。
外国人を雇用している建設会社がやっておくべきこと
外国人社員がいる会社は、次の3点を整理しておくことをおすすめします。
1. 在留資格ごとに「何ができるか」を把握する
社員一人ひとりの在留資格、在留期間、就労制限の有無を一覧にしておくと、名簿作成時に迷いません。
2. 将来的に名簿に載せられる可能性がある人を把握する
今は技能実習生でも、特定技能への移行や永住権の取得によって、将来的に名簿に掲載できるようになる場合があります。キャリアパスを見据えた管理が大切です。
3. 常勤性の証明書類を整理しておく
外国人社員の場合、在留カード、パスポート、雇用契約書なども確認資料として必要になる場合があります。日本人とは異なる書類が求められることがあるため、事前に整理しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 技能実習生が日本の施工管理技士を取得した場合、名簿に載せられますか?
A. 資格を取得しても、在留資格が技能実習のままでは「恒常的な雇用」の要件を満たしにくいため、掲載は難しいケースが多いです。特定技能への在留資格変更など、雇用形態の見直しが必要になります。
Q2. 永住者の外国人社員は、日本人とまったく同じ扱いですか?
A. 技術職員名簿への掲載要件に関しては、日本人と同じ条件で判断されます。資格または実務経験の要件と、6か月超の常勤要件を満たしていれば掲載できます。
Q3. 外国で取得した資格は日本の経審で使えますか?
A. 原則として、日本の国家資格が対象です。外国の資格がそのまま評価されることは基本的にありません。ただし、相互認証の対象になっている資格がある場合や、国土交通大臣が認めた場合など、例外的に評価されるケースもゼロではありません。詳細は提出先に確認してください。
Q4. 特定技能1号の外国人を名簿に載せて、審査で認められた事例はありますか?
A. 自治体ごとに判断が分かれる部分です。認められるケースもないとは言えませんが、在留期間に上限がある点がネックになることが多いです。載せる場合は、事前に提出先へ確認することを強くおすすめします。
まとめ
外国人技能実習生を技術職員名簿に載せることは、現行制度では原則として難しい状況です。
理由は、在留資格の期限、施工管理従事の問題、恒常的雇用の要件の3点です。
ただし、在留資格が特定技能2号や永住者であれば、日本人と同様に掲載できる可能性があります。また、育成就労制度への移行により、今後の取り扱いが変わることも考えられます。
外国人社員の在留資格や雇用状況を整理したうえで、名簿に載せられるかどうかを一度確認してみてください。
判断に迷う場合は、お気軽にご相談ください。
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