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経審のZ点を1点でも上げるために中小建設会社ができること

経審の結果通知を見て、「思ったより点数が低い」と感じたことはありませんか?
総合評定値(P点)を構成する要素の中でも、技術力を示すZ点は配点ウェイトが大きく、ここが伸びるかどうかで順位が変わります。
大手のように大量の1級資格者を抱えるのは難しい。 でも、中小建設会社でも今いる人材の中でZ点を上げる方法はあります。
この記事では、採用に頼らず、今の体制からZ点を改善するための具体策を整理します。
Z点とは何か
Z点は、経営事項審査で「技術力」を評価する指標です。
次の2つの要素で算出されます。
・技術職員数値(技術職員の人数と資格レベル)
・元請完成工事高
このうち、自社の努力で改善しやすいのは技術職員数値の方です。
技術職員名簿に載せる人数が増えるほど、またその資格が上位であるほど、Z点は高くなります。
Z点が低い会社に共通する問題
Z点が伸び悩んでいる中小建設会社には、いくつかの共通点があります。
1つ目は、名簿に載せられるはずの社員を載せていないことです。 資格を持っている社員がいるのに、名簿の作成時に把握できていない。あるいは、実務経験で載せられる社員の存在を見落としている。これが一番もったいないパターンです。
2つ目は、2級資格のまま止まっている社員が多いことです。 2級の加点は2点ですが、1級になれば6点。同じ1人でも、資格のランクが上がるだけで3倍の加点になります。
3つ目は、1級資格者が監理技術者講習を修了していないことです。 講習を修了しているかどうかで加点区分が変わります。資格があるのに講習を受けていないだけで、本来取れる点数を取りこぼしていることになります。
4つ目は、技術者の情報を一元管理していないことです。 誰がどの資格を持っていて、いつ取得して、講習の有効期限はいつか。これが整理されていないと、改善の打ち手も見えません。
今すぐできる5つの改善策
すべて、今いる社員の中でできることです。
【改善策1】技術職員名簿の棚卸しをする
まずは、載せられるのに載せていない社員がいないかを確認します。
よくある見落としは以下のケースです。
- 資格を持っているが、事務寄りの業務をしている社員
- 最近資格を取得したが、名簿に反映されていない社員
- 実務経験だけで要件を満たしているが、証明書類を整理していない社員
社員全員の資格・経験を一覧にして、名簿に載せる候補をリストアップするところから始めてください。
→ 誰を載せられるかの判断基準はこちらで整理しています。技術職員名簿に載る人・載らない人|経審で”人数が足りない”を防ぐ条件と証明書類
【改善策2】2級資格者に1級取得を促す
Z点の加点は資格レベルで大きく変わります。
- 2級資格者:2点
- 1級資格者(講習未修了):5点
- 1級資格者(講習修了):6点
2級から1級に上がるだけで、1人あたりの加点が3倍になります。
社内に2級施工管理技士を持っている社員がいるなら、1級の受験を会社として支援する価値は十分あります。受験費用の補助、勉強時間の確保、合格時の手当など、制度を整えている会社ほど技術力の底上げが進んでいます。
【改善策3】1級資格者に監理技術者講習を受けてもらう
1級資格者が監理技術者講習を修了すると、加点が5点から6点に上がります。
たった1点の差に見えますが、該当者が複数いれば合計で数点変わります。経審の順位はわずかな点差で入れ替わることがあるため、取れる点数を取りこぼさないことが大切です。
講習は各地で定期的に開催されており、オンラインで受講できるものもあります。有効期限があるため、更新のタイミングも管理しておく必要があります。
【改善策4】実務経験のみの社員を漏らさず載せる
資格がなくても、施工管理に従事している常勤社員は名簿に載せられる可能性があります。
加点は小さくても、人数にカウントされることでZ点は上がります。特に技術者の少ない中小企業では、1人の追加が比率として大きく効いてきます。
ただし、実務経験のみで載せるには、施工管理に従事していることを書面で証明する必要があります。ふだんから工事台帳や施工体制台帳に記録を残しておくことが重要です。
→ 名簿への記載方法はこちらで解説しています。 技術職員名簿の書き方と記載例 |経審で差し戻されない作り方
【改善策5】登録基幹技能者の活用を検討する
登録基幹技能者講習を修了した技能者も、技術職員名簿に載せることができます。
現場で長年の経験がある職長クラスの社員が対象になるケースがあります。「資格は持っていないが、現場を仕切れるベテラン」がいる会社は、この制度を確認してみてください。
改善策の優先順位
すべてを同時にやるのは大変です。 優先順位をつけるなら、次の順番をおすすめします。
最初にやるべきことは、改善策1の棚卸しです。 これはコストゼロで今日からできます。載せ漏れが見つかれば、次の経審からすぐにZ点が上がります。
次に取り組むべきは、改善策3の監理技術者講習です。 すでに1級を持っている社員がいるなら、講習を受けてもらうだけで加点が増えます。
中長期で取り組むのが、改善策2の1級取得支援です。 結果が出るまでに時間はかかりますが、会社の技術力を根本的に底上げする施策です。
Z点以外にも目を向ける
Z点を上げることは大切ですが、経審の総合評定値(P点)はZ点だけで決まるわけではありません。
W点(社会性等)ではCPD(継続教育)の取得状況やCCUS(建設キャリアアップシステム)の活用が加点対象になります。Y点(経営状況)も含め、全体のバランスを見ながら改善策を考えることが重要です。
→ 経審全体の仕組みはこちらの記事で解説しています。 経審の点数はどう決まるのか|中小建設会社が知っておくべき評価の仕組み
よくある質問(FAQ)
Q1. 技術者を1人増やすとZ点はどのくらい上がりますか?
A. 資格の種類・レベルによって異なります。1級施工管理技士(講習修了)なら6点の加算ですが、Z点は技術職員数値と元請完成工事高の両方で算出されるため、単純に6点上がるわけではありません。ただし、少人数の会社ほど1人の追加が与える影響は大きくなります。
Q2. 資格取得の補助制度はどう設計すればいいですか?
A. 受験費用の全額負担、合格時の報奨金、テキスト代の支給などが一般的です。金額の相場よりも、「会社として資格取得を推奨している」という姿勢を明確にすることが大切です。
Q3. 外注先の技術者はZ点に反映できますか?
A. できません。Z点に反映できるのは、自社と直接雇用関係にある常勤社員のみです。
Q4. 元請完成工事高を増やす方法はありますか?
A. Z点のもうひとつの要素である元請完成工事高は、下請けではなく元請けとして受注した工事の実績です。公共工事の入札参加や、民間工事での元請け受注を増やしていくことが改善につながります。
まとめ
Z点を上げるために大事なのは、「今いる人材の価値を正しく反映させること」です。
載せ漏れをなくす。 資格のランクを上げる。 講習を受けてもらう。 実務経験者を見落とさない。
大きな投資は必要ありません。 まずは社員の資格と経験の棚卸しから始めてみてください。
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