「建設業許可、自分で取れますか?」
この質問をよく受けます。答えとしては、「取れないことはありません」。書類は公開されていますし、申請窓口も相談に応じてくれます。
この記事では、建設業許可を自分で申請する場合に何が大変なのかを、法令の根拠を交えながら整理してお伝えします。
まず、建設業許可が必要な工事の範囲
建設業許可が必要になるのは、1件の請負金額が500万円以上(消費税込み)の工事です。建築一式工事の場合は1,500万円以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅工事が対象です(建設業法第3条)。
この金額を超える工事を継続して請け負うためには、許可の取得が必要になります。
許可を受けるための5つの要件
建設業許可を受けるには、建設業法第7条に定める5つの要件をすべて満たし、それを書面で証明する必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 経営業務の管理責任者(経管)がいること | 建設業に関し5年以上の経営経験を持つ常勤の役員等が必要 |
| ② 営業所ごとに専任技術者がいること | 資格または実務経験10年以上を持つ常勤の技術者が必要 |
| ③ 誠実性があること | 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと |
| ④ 財産的基礎があること | 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること |
| ⑤ 欠格要件に該当しないこと | 役員等が禁錮以上の刑や建設業法違反による罰則を受けていないこと(建設業法第8条) |
この5つのうち、特に①と②の要件確認と証明が難しく、多くの方がここでつまずきます。
申請に必要な書類の多さ
建設業許可の申請書類は、大きく「法定書類」と「添付書類」に分かれます。
法定書類(様式第1号〜第20号の4)
| 様式番号 | 書類名 |
|---|---|
| 様式第1号 | 建設業許可申請書 |
| 別紙一 | 役員等の一覧表(法人のみ) |
| 別紙二 | 営業所一覧表 |
| 様式第2号 | 工事経歴書 |
| 様式第3号 | 直前3年の各事業年度における工事施工金額 |
| 様式第6号 | 誓約書 |
| 様式第7号 | 経営業務の管理責任者証明書 |
| 様式第8号 | 専任技術者証明書 |
| 様式第11号 | 営業の沿革 |
| 様式第20号の3 | 健康保険等の加入状況 |
主な添付書類
- 登記事項証明書(法人)または確定申告書(個人)
- 経管・専任技術者の常勤性を証明する書類(健康保険証・賃金台帳など)
- 経管の経営経験を証明する書類(過去の工事契約書・請求書など)
- 専任技術者の資格証または実務経験証明書
- 財産的基礎の証明書類(残高証明書など)
- 営業所の写真・賃貸借契約書
これらを揃えて正確に作成するだけでも、相当な時間がかかります。
特に難しい「要件の判断」
書類を集める前に、そもそも要件を満たしているかどうかの判断が難しいことがあります。
経管の要件判断でつまずきやすいケース
- 社長の経営経験が5年に満たない
- 前職の会社で役員だったが、その会社が廃業していて書類を取得できない
- 個人事業主から法人にしたときの経験の通算ができるかわからない
専任技術者の要件判断でつまずきやすいケース
- 資格がなく実務経験で証明しようとしているが、証明書類が残っていない
- 過去の勤務先に証明書の発行を依頼しなければならない
- 資格はあるが、許可を受けようとする業種と対応しているかわからない
要件を満たしているかどうかは、申請前に正確に判断しないと、書類を揃えて窓口に持っていっても受理されないことがあります。
窓口との往復が発生しやすい
福岡県の場合、建設業許可の申請窓口は福岡県庁の建設業課です。
自分で申請する場合、書類の不備や記載ミスがあると窓口で指摘を受け、修正・再提出が必要になります。仕事の合間に何度も窓口に足を運ぶことになると、時間的なコストはかなり大きくなります。
また、申請書類は都道府県ごとに独自のローカルルールがあることも多く、手引きを読んだだけでは判断が難しい部分もあります。
時間コストを考えると
自分で申請する場合に必要な時間の目安を整理すると、次のようになります。
| 作業 | 目安時間 |
|---|---|
| 要件の確認・調査 | 5〜10時間 |
| 書類の収集(役所・法務局など) | 3〜5時間 |
| 申請書類の作成 | 10〜20時間 |
| 窓口への持参・修正対応 | 2〜5時間(往復含む) |
| 合計 | 20〜40時間程度 |
現場を抱えながら、これだけの時間を捻出するのは容易ではありません。
しかもこれは、ある程度書類が整っていて、保管状況も整理されている会社の目安なので、実際はもっと時間がかかることが予想されます。
行政書士に依頼するメリット
建設業許可の申請書類の作成・提出は、行政書士の専門業務です(行政書士法第1条の2)。
行政書士に依頼することで、次のようなメリットがあります。
- 要件を満たしているかどうかを事前に判断してもらえる
- 書類の収集・作成をすべて任せられる
- 窓口との往復が不要になる
- 申請から許可取得までのスケジュールを管理してもらえる
- 取得後の変更届・更新・経審もまとめてサポートしてもらえる
費用の目安としては、一般的に新規申請で15〜20万円前後(別途申請手数料9万円)が相場です。
社長の時間を現場や営業に使えることを考えると、専門家への依頼はコストではなく投資といえるかもしれません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自分で申請して不許可になることはありますか?
A. あります。要件を満たしていない状態で申請しても受理されないか、受理後に審査で不許可になるケースがあります。申請手数料(知事許可9万円)は不許可でも返還されないため、要件の事前確認が重要です。
Q2. どのくらいの期間で許可が取れますか?
A. 福岡県知事許可の場合、申請から許可が下りるまで標準処理期間は約30日です。書類に不備があると期間が延びます。
Q3. 許可を取った後も手続きが続きますか?
A. はい。許可取得後は、毎年の決算変更届、役員・技術者の変更があれば変更届、5年ごとの更新申請が必要です。経審・入札参加資格申請も継続的に対応が必要になります。
Q4. 行政書士への依頼を途中からにすることはできますか?
A. できます。「要件の確認だけ相談したい」「書類を自分で集めて、作成だけ頼みたい」といったご相談にも対応できます。まずはお気軽にご連絡ください。
まとめ
建設業許可の自己申請は不可能ではありませんが、次のような理由から想像以上に時間と手間がかかります。
- 申請書類の種類が多く、正確な作成が必要
- 要件を満たしているかどうかの判断が難しい
- 窓口との往復が発生しやすい
- 合計20〜40時間程度の作業時間が必要
「自分でやってみたが途中で断念した」「窓口で何度も指摘された」というご相談もよくいただきます。
許可取得を急いでいる方、現場が忙しくて時間が取れない方は、ぜひ一度ご相談ください。要件の確認から書類作成・申請まで、まとめてサポートします。
「まずは要件の確認だけでも、お気軽にご相談ください」
建設業許可の取得を検討しているけれど、自分が要件を満たしているかどうかわからない。そんな段階からでもご相談いただけます。
福津市を拠点に、福岡県内の建設業者さんの許可申請をサポートしています。要件の確認から書類作成・申請まで、まとめてお任せください。

