解体工事業の建設業許可とは|「登録」との違い・要件をわかりやすく解説

「解体工事をするのに、建設業許可は必要?」 「『解体工事業登録』というのも聞くけど、許可と何が違うの?」 「うちはとび・土工の許可があるけど、解体もできるんじゃないの?」

解体工事は、許可や登録のルールが何度か変わってきた経緯があり、混乱しやすい業種です。この記事では、解体工事業の建設業許可について、よく似た「解体工事業登録」との違いも含めて、わかりやすく整理します。

目次

解体工事業とは

解体工事業とは、建物や工作物を取り壊す工事を専門に行う業種です。建設業許可の29業種のうちのひとつで、平成28年(2016年)6月に、それまでの「とび・土工・コンクリート工事業」から独立して新設されました。

つまり、比較的新しい業種です。この「新しくできた」という経緯が、後で説明する混乱のもとになっています。

まず知っておきたい「許可」と「登録」の違い

解体工事をするための制度には、よく似た名前の2つがあります。ここを最初に区別しておくと、話がすっきりします。

解体工事業登録(建設リサイクル法)

請負金額が税込500万円未満の解体工事だけを行う場合の制度です。建設リサイクル法にもとづくもので、不法投棄や不適切な解体を防ぐ目的で設けられています。工事をする都道府県ごとに登録が必要です。

建設業許可に比べると要件は緩やかですが、「営業所ごとに技術管理者を置く」などの条件があります。

解体工事業の建設業許可

請負金額に関係なく解体工事を行える制度です。500万円以上の解体工事を請け負うなら、こちらの許可が必要になります。

つまり、500万円未満だけなら「登録」、500万円以上も請けるなら「許可」、という整理になります。許可を取れば、登録は不要です(許可は登録の上位にあたるイメージです)。

「とび・土工の許可があれば解体もできる」は今は通用しない

ここが、解体工事でいちばん誤解の多いところです。

解体工事業が独立する前は、「とび・土工・コンクリート工事業」の許可があれば、解体工事も請け負えました。その名残で、「うちはとび・土工の許可があるから解体もできるはず」と思っている方が今もいます。

しかし、経過措置はすでに終了しています。現在は、500万円以上の解体工事を請け負うには、解体工事業の許可が別途必要です。とび・土工の許可だけでは、500万円以上の解体工事はできません。

ただし、過去のとび・土工としての経験が、解体工事業の要件を満たすために使える場合があります(後述)。

解体工事業の建設業許可を取る要件

要件の枠組みは、ほかの業種の建設業許可と基本的に同じです。経営業務の管理責任者・専任技術者・誠実性・財産的基礎・社会保険・欠格要件の6つを満たす必要があります。

このうち、解体工事業ならではのポイントが「専任技術者」です。

解体工事業の専任技術者になれる人

一般建設業の場合、次のいずれかに当てはまる人が専任技術者になれます。

  • 土木施工管理技士(1級、または2級の土木)
  • 建築施工管理技士(1級、または2級の建築)
  • 技術士(建設部門など、所定のもの)
  • 解体工事施工技士
  • 解体工事に関して10年以上の実務経験がある人

注意したいのは、資格の種類や合格時期によっては、別途「登録解体工事講習の受講」や「解体工事の実務経験1年以上」が求められる場合があることです。特に平成27年度までの合格者は追加の要件があるため、自分の資格がそのまま使えるかは確認が必要です。

また、「建設機械施工技士」は、通常は解体工事業の専任技術者には該当しない点にも注意です。

過去の「とび・土工」の経験は使える場合がある

解体工事業が新設された経緯から、経過措置として、平成28年6月1日より前の「とび・土工工事業」での経験の一部が、解体工事業の経験としてみなされる扱いがあります。

実務経験で証明する場合、いつの時点の、どの工事の経験かによって扱いが変わるため、ここは特に慎重な確認が必要な部分です。

実務経験で証明するなら、過去の工事書類がカギ

解体工事業を実務経験で証明しようとする場合、「解体工事に、いつから、どれだけ携わってきたか」を書類で示す必要があります。具体的には、解体工事の契約書・注文書・請求書などです。

とび・土工との線引きや、経過措置の期間が関わってくるぶん、解体工事業の実務経験証明は、ほかの業種よりも書類の整理が重要になります。10年分、あるいは経過措置に関わる時期の書類がそろっているかどうかで、手続きのスムーズさが大きく変わります。

「経験は十分にあるのに、当時の書類がなくて証明できない」とならないよう、日ごろから工事ごとの記録を残しておくことが、将来の許可取得・維持を支えます。

まとめ

解体工事業は、平成28年にとび・土工から独立した比較的新しい業種です。500万円未満だけなら「解体工事業登録」、500万円以上も請け負うなら「解体工事業の建設業許可」が必要で、現在は「とび・土工の許可があれば解体もできる」という扱いは終了しています。

許可の要件は他業種と同じ6つですが、専任技術者の資格要件や、過去のとび・土工経験の扱いに、解体工事業ならではの注意点があります。そして、実務経験で証明する場合は、過去の工事書類の整理がそのまま手続きのしやすさに直結します。

当事務所では、福岡県を中心に、解体工事業の許可が必要かどうかの確認から、要件の証明、取得後の維持管理までサポートしています。「うちは登録と許可のどちらが必要?」「とび・土工の経験が使えるか知りたい」という方は、3分セルフ診断やLINEからお気軽にご相談ください。

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