
この記事は「経営事項審査とは|公共工事を受注したい会社が知っておくべき基本」の関連記事です。
経営事項審査(経審)を受けようと思っているけれど、「いつ申請すればいいのかわからない」という方は少なくありません。
経審には有効期限があり、申請のタイミングが遅れると入札に参加できない期間が生じてしまいます。逆に言えば、スケジュールをきちんと把握しておくだけで、こうした事態を防ぐことができます。
この記事では、経審を受けるタイミングと有効期限の考え方を整理してお伝えします。
経審は「毎年」受けるものです
経審は、一度受ければ終わりではありません。公共工事の入札に参加し続けるためには、毎年受け直す必要があります。
根拠は建設業法第27条の23で、公共工事を直接請け負おうとする建設業者は、経審を受けなければならないと定められています。有効期限が設けられているため、期限が切れる前に次の経審を受けることが必要です。
有効期限は「審査基準日から1年7か月」
経審の結果通知書(P点)には有効期限があります。その期限は、審査基準日(=直前の決算日)から1年7か月です。
ここで注意していただきたいのは、有効期限の起点は「審査を受けた日」や「結果通知書を受け取った日」ではなく、決算日だということです。
たとえば3月31日決算の会社であれば、その年の3月31日が審査基準日となり、有効期限は翌々年の10月31日になります。
申請が遅れても有効期限は変わらないため、準備が遅れるほど実質的に有効な期間が短くなってしまいます。
決算後4か月以内に申請するのが目安
経審の申請前には、決算変更届の提出が必要です。決算変更届は決算終了後4か月以内に提出する義務がありますので、経審の申請もこれに合わせて進めるのが基本です。
申請から結果通知書が届くまでには、おおむね1〜2か月かかります。できるだけ早く動き始めることが、有効期限を最大限に活用することにつながります。
決算から入札参加資格まで6〜8か月かかる
経審を受けるだけでは入札に参加できません。経審の結果通知書を取得したあと、各発注機関への入札参加資格申請が必要です。
決算から入札参加資格を得るまでの流れを整理すると、次のようになります。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ① 決算終了 | 営業年度の終了(決算日) | — |
| ② 決算変更届の提出 | 決算後4か月以内に提出義務あり | 1〜2か月 |
| ③ 経営状況分析の申請 | 登録経営状況分析機関へ財務資料を提出 | 1〜2週間 |
| ④ 経審の申請 | 都道府県へ申請 | — |
| ⑤ 結果通知書の受領 | P点が確定 | 1〜2か月 |
| ⑥ 入札参加資格申請 | 各発注機関へ申請 | 数週間〜2か月 |
| 合計 | 6〜8か月程度 |
このスケジュールを見るとわかるように、決算が終わってからすぐに動かないと、入札参加資格の取得が大幅に遅れてしまいます。
3月決算の会社を例にしたスケジュール
最も多い3月31日決算の会社を例に、理想的なスケジュールを示すと次のようになります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3月31日 | 決算日(審査基準日) |
| 4〜5月 | 決算変更届の準備・提出、経営状況分析の申請 |
| 6〜7月 | 経審の申請(遅くとも7月末までが目安) |
| 8〜9月 | 経審結果通知書の受領 |
| 9〜10月 | 入札参加資格申請 |
| 10月31日 | 有効期限(翌々年) |
決算後4〜6か月以内に経審の申請を完了させることが、スケジュール管理の基本です。
申請が遅れるとどうなるか
申請が遅れると、次のような問題が生じます。
有効期間が実質的に短くなる 有効期限は決算日から1年7か月で固定されています。申請が遅れて結果通知書の受領が遅くなると、その分だけ有効に使える期間が短くなります。
入札に参加できない期間が生じる 有効期限が切れた状態では、入札参加資格が失効します。次の経審結果通知書が届くまでの間、入札に参加できない空白期間が生じることがあります。
次の決算を待たなければならないケースも 申請が遅れすぎて次の決算日を迎えてしまうと、前の決算の数字では経審を受けられなくなります。この場合、次の決算が終わるまで経審の申請ができません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 初めて経審を受けるタイミングはいつがいいですか?
A. 基本的には決算終了後、できるだけ早く動き始めることをおすすめします。初めての場合は書類の準備に時間がかかることも多いため、決算が終わったらすぐに準備を始めるのが理想的です。
Q2. 経審の申請と入札参加資格申請は同時にできますか?
A. できません。経審の結果通知書(P点)が出てから、入札参加資格申請を行う順番になります。結果通知書なしに入札参加資格申請はできませんので、順番に進める必要があります。
Q3. 有効期限が切れてしまった場合はどうすればいいですか?
A. 有効期限が切れた場合、その時点で入札参加資格が失効します。改めて経審を受け直し、新しい結果通知書を取得してから入札参加資格の再申請が必要です。期限切れにならないよう、毎年のスケジュール管理が重要です。
Q4. 決算変更届を出していないと経審は受けられませんか?
A. 受けられません。経審の申請前に、直前決算分の決算変更届が提出済みであることが必要です。決算変更届と経審はセットで管理するようにしましょう。
まとめ
- 経審は毎年受け直す必要があります(建設業法第27条の23)
- 有効期限は審査基準日(決算日)から1年7か月
- 有効期限の起点は決算日であり、申請が遅れるほど実質的な有効期間が短くなる
- 決算から入札参加資格取得まで6〜8か月かかるため、早めに動き始めることが重要
- 決算後4〜6か月以内に経審の申請を完了させることが理想
経審のスケジュール管理でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。決算変更届の提出から経審・入札参加資格申請まで、まとめてサポートします。
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